認知症になってしまったら…。今のうちに対策を

明治時代、日本人の平均寿命は男性が42.8歳、女性は44.3歳だったと言われています。
それが2019年には男性が81.41歳、女性は87.45歳まで更新しました。 平均寿命は今後も伸び続けると予想され、2060年には、男性は84.19歳、女性は90.93歳になるとも言われています。

老後のサポートは誰がしてくれる?

現在は核家族化が進み、さらに少子化、歳をとってからの単身世帯が急増しています。高齢者の一人暮らしは身体面や金銭面での不安が多く、いろいろなサポートを必要とします。 特に認知症や精神障害になったりしたあと、自分でお金の管理をしながら老後の生活をしていくことは簡単なことではありません。
そういう人を支援する制度の一つとして「成年後見制度」というものがあります。

成年後見制度とは?

超高齢化社会の今、認知症などで判断能力が不十分な人が増えています。認知症になると自分で理解して契約をしたり、財産を適切に管理したり、福祉サービスなどを自分の判断で受けられることが難しくなります。
そんな場合に成年後見人が代わりに財産の管理や生活のサポートをしてくれるのが成年後見制度です。また、認知症だけでなく、知的障害、精神障害などの方も対象としています。

成年後見制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。
「法定後見制度」は、すでに判断能力が衰えてしまった方を対象として、身内などが家庭裁判所に申し立てることにより成年後見人を選任する制度です。
法定後見制度は判断能力を欠く度合いによってさらに「後見」「保佐」「補助」の3種類に分けられます。
「任意後見制度」は判断能力が衰えた時の為に、前もって自分自身で後見人を選んでおき、実際に判断能力が低下した場合家庭裁判所に申し立てて選んでおいた後見人が手続きを開始します。

後見人は誰がなるか

法定後見の場合

成年後見人になるために特に法令上の制限はありませんが、子供や親族、法律・福祉の専門家などが選任されるケースが多いようです。ただし、以下のような人はなれません。

  1. 未成年者
  2. 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人または補助人
  3. 破産者
  4. 被後見人、被保佐人、被補助人に対して訴訟をし、またはした者およびその配偶者ならびに直系血族
  5. 行方の知れない者

任意後見の場合

任意後見の場合も特に法令上の制限はありません。ただし、以下のような人はなれません。
また、後見人に不正な行為がないか「任意後見監督人」も選びます。

  1. 未成年者
  2. 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人または補助人
  3. 行方の知れない者
  4. 破産者
  5. 本人に対して訴訟をし、またはした者およびその配偶者ならびに直系血族
  6. 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

法定後見と任意後見の比較

法定後見の場合の場合

後見 保佐 補助
前提手続き なし なし なし
対象の人 判断能力が不十分な人 判断能力が著しく欠けている人 判断能力が不足している人
後見人を選ぶ人 家庭裁判所 家庭裁判所 家庭裁判所
後見人の同意が必要なもの 不要 特定のもの 特定のもの
後見人が取り消せる範囲 日常生活に関する行為
以外の行為
特定のもの 特定のもの
後見人が代理できること 財産に関する行為 申し立ての範囲内で
家庭裁判所が定める行為
申し立ての範囲内で
家庭裁判所が定める行為

任意後見の場合

前提手続き 任意後見契約を
公正証書で作成し、登記をする
対象の人 判断能力が不十分になった人
後見人を選ぶ人 本人
後見人の同意が必要なもの 不要
後見人が取り消せる範囲 なし
後見人が代理できること 任意後見契約で定めた行為

後見人への報酬

法定後見の場合

家庭裁判所は、本人の資力その他の事情により相当な報酬を成年後見人に与えることができます。報酬は本人の財産の中から支出します。家族が後見人になった場合は一般的に無報酬が多いようですが、専門職の場合は報酬が発生します。
家庭裁判所の示す目安としては、成年後見人が、通常の後見事務を行った場合の報酬は月額2万円です。 ただし,管理財産額が高額な場合には,財産管理事務が複雑,困難になる場合が多いので、管理財産額が1000万 円を超え5000万円以下の場合には基本報酬額は月額3万円~4万円、管理財産額が5000万円を超える場合には基本報酬額は月額5万円~6万円になります。
また、後見監督人を付けた場合は、通常の後見監督事務を行った場合の報酬の目安額は,管理財産額が5000万円以下の場合には月額1万円~2万円、管 理財産額が5000万円を超える場合には月額2万5000円~3万円程になります。

任意後見の場合

任意後見人に報酬を支払うかどうか、支払う場合はどの位にするかは、本人と任意後見人との話し合いで決めます。任意後見の場合も家庭裁判所の目安を参考に金額を決定することが多いようです。

家族信託ってなに?

最近よく耳にする「家族信託」とはなんでしょうか?
「家族信託」とは、財産管理を信託銀行でなく、信頼できる家族や親戚に託す契約のことをいいます。家族信託は、後見制度の使い勝手の悪い部分を解決する方法の一つとして近年とても注目されています。

信託には、登場人物が3名出てきます。
委託者」=自分の財産を誰かに託そうと思っている人
受託者」=委託者の財産を託される人
受益者」=信託契約により財産の恩恵を受ける人

家族信託の活用例

障害を持つ子がいる場合

高齢のA子さんは、障害を持って暮らしている息子の将来に不安があります。そのため、日頃から信頼を寄せる甥に自分の財産を託し、自分の亡き後息子の面倒をみてほしいと考えました。

家族信託の活用例 障害を持つ子がいる場合

内縁の妻がいる場合

Aさんには内縁の妻がいます。自分の亡き後、妻が不自由なく暮らし、妻の亡くなったあとは自分の財産は弟に承継してほしいと考えています。

家族信託の活用例 内縁の妻がいる場合

前妻との間に子どもがいる場合

Aさんには前妻との間に子どもBがいますが、後妻との間に子どもはいません。自分の亡き後、後妻には不自由なく暮らしてほしいが、後妻の亡き後は何もしなければ自分の財産の一部は後妻の親または兄弟にいってしまうので、どうにかして後妻の相続人ではない子どもBに財産を承継してほしいと考えています。それを信頼できる弟に託したいと思いました。

家族信託の活用例 前妻との間に子どもがいる場合

その他にも事業承継やペットの信託など、さまざまな場面で家族信託は有効に活用できます。

成年後見制度と家族信託の違い

成年後見制度 家族信託
始まりと終わり 本人の判断能力の低下によって始まり、本人の死亡によって終わる 本人の判断能力がある時に契約をし、即時にもスタートさせられ、
場合によっては自分の死後の数世代にわたって財産を託せる。
財産管理者 家庭裁判所が決定 本人が選出
関与できるもの 本人の財産と権利 本人の信託財産のみ
費用 第三者が選出されると後見人に報酬が発生する 必ずしも報酬は発生しない

サービス料金(費用)

※初回相談無料

※表示料金は税別料金です

内容 任意後見
契約書作成起案
家族信託
契約書作成起案
料金 1契約
80,000円~
1契約
100,000円~

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